4月19日 Pauline Oliveros

Cutting Edge Concerts New Music Festival
@ Symphonyspace
Music & Health というテーマによる現代音楽祭。最初に作曲者と医者、セラピストでトークがあったが、個々人の個人的体験や一般的な話。何がテーマと関係あるかといって、医療NPOがスポンサーになっているのと、少ない観客のほとんどが60歳以上に見えるという異様な高齢率。Victoria Bond "Dancing on Glass"/企画者の曲、弦楽三重奏。中国の民謡を使った、コダーイ風現代技法な曲。Pauline Oliveros "Sounding for Well Being"/世界初演とは書いてあるけれど、解説もいつもと同じだし、即興にしか聞こえない。rolandのVアコーディオン。音色の貧しさがずいぶん気になるけれど、楽器と戯れるような、解説のヒーリング云々の印象とは随分と隔たった音楽で、特に最後の長い不協和音のクラスターは強烈。理論的には演奏から「聴く」へのシフトに思えるが、実際にやっているのは聴くことが演奏であるような状態。主体は共同体に解消されることはない。こっちに来てからこの音楽家については随分と考え直すことになった。Matthias Pintscher "Study IV for Treatise on the Veil"/サイ・トゥオンブリに影響を受けただかの、弱音ヨーロッパの現代音楽。トゥオンブリほど面白くはない。Neil Rolnick "Numb"/乳がんで感覚を失った人の言葉を元にした、弦楽三重奏+ライヴ・プロセッシング+映像+録音された言葉によるマルチ・メディア作品。どうしてもライヒの近作を思い出させるが、うまく差異化しつつ非常に明快な作品。弦楽はNe(x)tworks。どんなスタイルもこなし、もの凄くうまい。