6月5日 Isamu Noguchi, Tony Conrad, Loud Objects

Noguchi Museum
不便なところにあるので行きそびれていた。決して興味のある作家とはいえないけれど、一度はきちんと見る必要があると思っていた。狭い空間に作品が林立するのを見ると侘び寂びをアメリカで展開した作家とはいえない複雑さがある。美術館の常設展で見かける作品は単純なものが多いが、ここにある作品は素材も手法ももっと複合的。特にアルミニウムの作品が面白い。

Greater New York
@ PS1
ここ5年のニューヨークで出て来た新しい世代の作品を紹介する展覧会。当たり前だが、まったくてんでばらばらな作品が並んでいる。敢えていえばパフォーマンス系が多いのは事実。例えば私たちの世代にはなかった熱気がそこにはあり、それ自体は悪いことではないが、個々の作品は真面目に受け取るのが憚れるほど稚拙なものばかり。更に問題は、熱気だけで個々の作品をまとめて押し切ってしまう、キュレーションのいい加減さで、企画そのものへの自信のなさだろうか。パフォーマンスも見たが、友達向けの気軽なノリ。それなりの内容をいつも提供している美術館だが過去最悪の企画。ここでは美術は社会学的興味の対象でしかない。正式な出品作家ではないようだがいつものようにKate Gilmoreだけが水準以上。

Yosuke Ito
@ M55 Gallery
絶賛する訳ではないがPS1の後で見ると、芸術の自律に向けた真摯さに打たれる。

((audience))
@ Ramiken Crucible
サラウンド映画祭のベネフィットコンサート。Tony Conrad + MV Carbon/ トニー・コンラッドは振り子の糸を弾くのとヴァイオリン。MV Carbonはエフェクトをかけまくったチェロとオープンリールの手動操作。ノイズミュージックな音だが、トニーの無茶ぶりはいつ見ても凄い。DUBKNOWDUB/ 変な格好したラップトップとショッピングカート+電飾にエレクトロニクスを載せた2人組。Loud Objects/ 蛍光灯にチェーンソーをつけて絶叫するだけ。最近のネタの合成だが、完全アコースティックのいさぎよさもあって、素晴らしいパフォーマンス。トニー、トリスタン、レスリー、クーネルに別れを告げる。