3月29日 PS1

P.S.1
ここは現代作家に関してはニューヨークで最も優れた美術館だと実感。"Between Spaces"も良い展示だが、とりあえず目玉は1969年に作られた作品を集めた"1969"と未来派以降100年のパフォーマンス・アートの資料をこれでもかと集めた"100 years"。絵画における地と図を見事に解体したMel Bochner "Theory of Paintings"にしろ、Michael Snowのカメラがひたすら首を振る"Back and Forth"にせよ、Gerhard Richterの"9 Objects"にせよ、美術と作家自身にとって本質的な仕事がこの年に集中しているのには驚かされる。それにしても芸術家がこれほどまでに時代の空気に左右されていていいのだろうか。まったく知らない作家だがElohim Ramanの"fluxphone composition no.4"が楽しい。キャプションだけがあって電話番号が書いてある。そこに電話をかけると電話に息を吹き込む音が聞こえる。"100 years"は音なし大画面で"9 evenings"。Electronic Arts Intermixのコレクションを大量モニターでヴィデオ上映。2時間程度のループなので見るのにえらいこと時間がかかる。Valie Exportの"Hyperbulie"とStuart Sharmanの"The Leap"を待ちながらJoan Jonasと延々見る。ジョナスの時間の感覚は音楽とも演劇とも美術とも異なるものだ。コンセプチュアルというのでもない。面白い作家だと思う。スチュアート・シャーマンはもっと見てみたい作家。1980年以降、美術館に収まるパフォーマンス・アートはもはやアイロニーでしかない。面白い仕事をしている人はローリー・アンダーソンやジェローム・ベルのように他のジャンルでポジションを確立しないと美術館に入らない。