3月26日 Deborah Hay

New York City Electroacoustic Music Festival
@ Graduate Center
3日間、朝から晩までやっているアカデミックよりのショーケース。Concert7の途中から10の途中まで4時間くらい見る。日本のアカデミックな電子音楽よりましかもしれないが、それにしてもひどい。なぜここまでみんな同じような音しか出さないのか。電子音による音色の探求はこんな程度のものしか生まなかったのか。表向きの音色のバラエティに対して、結局はリバーブの質ですべてが決まるような音楽。そもそもリバーブほど電子音響の本質に根ざさないものはない。面白いのは生楽器と同じ位置をコンピュータが占める、Eric Lyonの"Trio"、ひとつの音色でアルゴリズミックに声部の関係を追求したChikashi Miyamaの"Thrum"くらい。

Deborah Hay "No Time to Fly"
@ Danspace project
挨拶も照明の変化もないうちからぶらっと出てきて唐突に踊り始める。照明のゆっくりした変化。音楽はないが、胸元につけたワイヤレス・マイクにささやき、歌い、わめく。ヴォイス・パフォーマンスとしてもなかなかのもの。単純なものの集合に還元できない複雑さというものがありえるのか。間違いなくダンスの本質といいうるものがここにあり、しかもその本質はひとつではない。そのような不可解を私たちはユーモアとして受け取る。体ありきではなく、動きありき。動きは体と知性の間のどこかで生まれている。

Taka Iimura and Haruyuki Suzuki
@ Experimental Intermedia
飯村隆彦の古い作品に新しく鈴木治行が音楽をつけたものが3本。鈴木治行のCD-Jによるソロ2曲。モーガンに3年ぶりくらいに会い、エンジニアのBenと一緒にRainforestの話。Ignazとベルリンの話。